2つの種類の戸籍と改名履歴!種類別戸籍の必要なときとは?
戸籍には戸籍謄本と戸籍抄本と2つの種類があります。
名前が似ていて違いもよくわからないかと思いますが、改名とこれらの2つの戸籍とはどのような関係があるのでしょうか?
改名と2つの種類の戸籍
まず2つの戸籍の違いを整理します。
戸籍謄本(こせきとうほん) 戸籍原本のすべてを写している書類
戸籍抄本(こせきしょうほん) 戸籍原本の一部のみを写した書類
ということで戸籍という原本のどれを写しているのかで謄本と抄本とに分けることができるという意味です。
もう少し具体的にいいますと
戸籍謄本 戸籍に入っている全員の戸籍を写したもの
戸籍抄本 戸籍の中の一個人の戸籍を写したもの
というように写している人が誰なのかも違うということです。
戸籍謄本と戸籍抄本とが必要となるシーンとは?
また戸籍謄本と抄本とは使うシーンにも違いがあります。
戸籍謄本を使うことが多いシーン
戸籍の必要とする職業についた就職時
携帯電話の家族割の手続きをするとき
年金請求の手続き
相続
戸籍抄本を使うことが多いシーン
パスポート申請
本籍地以外で婚姻届を提出するとき
改名をすれば2つの種類の戸籍に履歴が残る?抹消できる?
結論からいいますと改名を戸籍から行うと戸籍謄本、戸籍抄本の2つの戸籍には履歴が残ることになります。
古い名前の横に×がつく
その横に改名後の新しい名前が入る
というようになって一般的な人が見ても改名したことがすぐにわかるようになっています。
これは戸籍抄本でも同じです。
戸籍というのはすべてを記録するという制度的な意味もあって、改名履歴を完全に消すことはできません。
ただこの改名履歴を戸籍上で薄める、パッと見はわからないという程度であれば不可能ではありません。
改名をする
戸籍に改名の履歴がまず残る
この後一旦別の市町村に引越しして戸籍を転出してしまう
ということで戸籍の転出をするという手法です。
転出をして転出先の市町村の戸籍に行くとやはり改名の履歴は残るのですが、転出後の戸籍には改名が一瞬でわかるようにはならないという程度で、履歴が薄まるということです。
この他、戸籍筆頭者の変更というような方法もありますが、転出も同様に完全に改名の履歴を消す方法というのはないということがいえます。
もちろん結婚、離婚と戸籍が変更されやすいタイミングなどもありますが、このようなときにも戸籍で改名履歴を完全に消す方法とはなりません。
2つの戸籍の種類と住民票での改名履歴
戸籍とともに似た書類として住民票があります。
就職や転職時によく求められることのある書類ですが、住民票記載事項証明書というのは過去の履歴を表記する書類ではありません。
あくまでも現在の状況を示すのが目的の書類ですので、過去の改名履歴などがこの住民票記載事項証明書に出てくるようなことはありません。
戸籍の改名履歴と戸籍を見るとき
戸籍というのはそう人生で何度も見るものでもありません。
高校、大学に進学するとき
就職をするとき
運転免許証を取るとき
国家試験を受けて合格し、登録申請をするとき
パスポートを作るとき
などが代表的な戸籍を見るようなときといえますが、家族や子供に隠れて戸籍改名をするときにはこのようなときに本人に改名履歴に気づかれるということもなくはありません。
上のように転出を挟むことで薄まりはしますが、完全な履歴抹消とはなりませんので、改名履歴は完全にはできないと知って改名手続きは行うようにしましょう。
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